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「何、気になるの?」
くるりと踵を返し、
私の元へ近づいて来た。
つい後退りをするが
すぐに壁で足が止まる。
見ると幸村くんが目の前に
立っていた。
くりっとした黒目は
真っ直ぐな眼差しを
私に向ける。
「篠岡」
「は、はい」
思わず敬語になってしまった
私に幸村くんはいつもの
優しい笑顔を浮かべた。
「俺がバスケ選手になれたら、
結婚しようか」
その言葉を聞き、初めて
彼のシュートを見た日を
思い出す。
『俺が次の試合でゴール
きめたら、付き合おうか』
思わず笑ってしまう告白。
今も昔も変わらないなぁ…
だから私も、
『ふふ、約束ね』
「約束だよ?」
出会った頃から何も
変わらない。
そんな君との約束が
大好きです。
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