プロローグ いたって穏やかだった日のお話

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「あちー…」 夏は暑い。まったく嫌気が指す。俺みたいな人種にはこういう日の光はただでさえ毒だっていうのに、こんな日当たりの強い日に学校に来いなんてまったく教師どもはどうかしてるのか? まだ七月上旬。夏本番といわれる八月にはすぐなようでまだまだ遠い。 それなら涼しくなるまでには何か月かかるんだ。考えるだけで吐き気がするな。 「まったくこれなら部屋に籠ってた方がましだったな…」 うだうだ文句を言いつつも、すでに家より学校に行く方が近かった。 俺はその場に十数秒とどまり、さきほどまで進行方向だった方へ再び歩き出す。 「しょーがねーな…」 右手にコンビニを見つつ、目の前に見えるコンビニを見据える。 短い距離だというのに目に見える風景がゆらゆら揺れて余計イラつく。俺はその場に止まり、汗を拭う。そしてすぅーっと息を吸うとともに一気に走り出す。 「待ってろスクールライフウゥゥゥゥゥ!!!」 俺は叫びながら高校までの距離を全速力で駆け抜けた。
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