プロローグ いたって穏やかだった日のお話

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そんなこんなで約束の放課後になった。 俺は教室で隼と別れた後、明乃のいるであろう三階の倉庫に向かった。 ちなみに倉庫というのはこの学校でおそらく人が一番近づかないであろう場所だ。 三階の廊下を少し外れたところの左側に非常階段がある。その非常階段を下りずに、まっすぐ進むと、古いダンボールやら印刷用紙やらが積まれている。 更にそこから進むと、暗がりの中に一室だけ教室のような扉がある。そこがこの学校でいう通称『倉庫』だ。 中には椅子も机もなく、ただ普通の教室より少し狭い空間が広がっているだけ。ただそれだけの場所だ。 「こんなところに呼び出して、まったく何の用なんだか…」 と、俺は『倉庫』の前の壁にもたれかかってつぶやいていた。俺には明乃が呼び出してきた理由がさっぱり分からなかった。 最近じゃここもカップルがいちゃつくためか、いじめの現場としてしか使われなくなってるみたいだからな。余計に分からん。
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