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女は黒服の男達に連行され部屋にはもういない。
呟きを聞き取ったアーリィは恭夜を寝室に引きずり込んだ。
「ヤキモチさえ妬いてくれないのかい?君は…」
「ヤキモチ?勿論妬きましたよ。自由になった彼女に。」
そう言って、無表情のまま見つめるとアーリィはクスリっと笑った。
「やはり君は面白いね。そして、誰よりも美しい…」
アーリィは、恭夜の美しい顔が好きだった。中性的な容姿、女性よりは低いが透き通る声。醒めきった性格すらも…
「キョウ。俺だけを見ろ!俺を欲しがれ!!」
お前だけが欲しい。
自分だけを見て欲しい。
この手の中に存在するのにスルリと逃げていく君がもどかしい。
欲望を抑える事なく、恭夜の白い首筋に噛みついた。
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