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私が生まれたのは2010年8月、
多くの兄弟と共に卵から産まれた。
私達の種類は数の多いクロゴキブリ、
よく人家に現れるゴキブリだ。
生まれて間もない私達が最初に見たのは暗い闇、
俗に言う冷蔵庫の下の空間だった。
生まれたばかりの私達は腹ペコだったので早速、
周りに落ちていた生ゴミ(人参のカス、
乾燥した米に干からびた魚の切れ端など)にかじりついた。
私達には味覚なんていう機能は存在しない。
腹を満たすためなら食べれる物は何でも食べる。
人はこれを悪食と言うがゴキブリである私達には関係ない。
時間が経つにつれ兄弟達が一匹、
一匹とどこかへ行ってしまった。
住みやすい所でも探すのだろう。
最後に残ったのは私と兄弟の一人(いや、一匹)だった。
この時私は何となく話をしたくなったので、
その兄弟に話し掛けた。
「皆どこかへ行ったけど君はどこへ行くんだい?」
「・・・・・」
兄弟はこっちを見た。
よく見たらこの兄弟は私より早く生まれたらしく体が少し大きい。
「俺には行くところ何てない。ただ、この広い世界を見ていきたい。」
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