プロローグ……

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皆が脱出して行く――― その姿を男性は見送りながらゆっくりと歩を進める そんな彼が辿り着いたのは格納庫だった 「ふふふ、さぁ相棒、狩りに出掛けようじゃないか」 男性はそう言うと二機の機体に声をかけた 一機は自国の中でも一番の機体、メッサーシュミットのカスタム機体 彼の機体は燃料の克服と武装の強化を果たし 通算撃墜数のアキレス腱だった 片目を失った後にも数回の出撃で連合軍のエースを撃墜し 『エース・キラー』とも呼ばれた もう一機の愛機はユンカースJu-78G(カノーネンフォーゲル)であり こちらでは戦車を大量に破壊している 「すまないな、私がもう二人居れば良かったのだが……」 男性はJu-78Gに触れ、宥めるように言うと メッサーシュミットに乗り、エンジンをスタートさせた 手入れの行き届いた快調なエンジンは加速を重ねて行き やがて赤き鷲は獲物を求め空を飛翔する
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