白い死神

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開け放たれた窓の傍、太陽が容赦なく照らす窓際のその席は、たまに吹く涼風を一番に受けられるという恩恵を除けば、過酷な位置であった。 少年はガラス越しに空を見る。 透明なガラス越しの太陽の光はまるで氷を彷彿させる、刺すような冷たさを孕んでいるように思えたが、それでも暑いのだから不思議である。 んな不毛な思考が、我に帰れば何となく哀れで、少年は視線を空から下へと下ろした。 それは広い校庭を抜けた先、陽炎に揺れる校門の傍に居た。 少年は一瞬、蜃気楼でも見たのかと、目を疑った。 更に、自分の悪い視力を疑い、かけている眼鏡を拭き、目を細めてそれを見たが、確かにそれはそこに居た。 そこには、真っ白な少女が立っていた。 肌も陶磁器のように白く、それに負けないくらい真っ白なワンピースを着た少女は、その髪も白く、端から見れば白い案山子か看板のようにしか見えない。 その異様なものを、少年は何故だか人だと確信していた。 奇妙な好奇心に誘われ少年は、教師に適当に言い訳をつけ、授業を抜け出し、校門に向かった。
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