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翌日、夏希が学校を終えても、真雪は姿を現さなかった。
(明日は会えないって言ってたんだから、当然か)
予想通りといえばそうなのだ、と夏希は特に落胆しなかった。
そういえば昼は死神をしているとは言っていたが、果たして何をしているのだろうか。まさか、華奢な真雪が大鎌を持って人を襲っている、何てことはないだろう。
そんなことを考えながら校門を抜け、一人で歩く。
今日も、猛暑日だった。
「…暑い」
夏希は制服のネクタイに手をかける。
じりじりと太陽が照りつけて、流れ出る汗が気持ち悪い。
そういえば真雪と歩く道はどことなく涼しかったと感じるのは、果たして単に時間帯の問題だけなのだろうか。
家に近づくにつれ、自分が砂を踏む音が、酷く不快に聞こえた。
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