第一夜

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その時、 「…あ…あの、なんかもの凄く今更なんですけど…」 と、おずおずと最初に口を開いたのは、雪だった。 「ぅん?何~?どしたの~?」 そんな雪に、ユイリヤは少しおどけた感じに聞き返す。そのおかげか、空気は重くならずに済んだ。 「えっと…ここは何処なんでしょうか?」 「……あー…、まぁ、そうだよねぇ。さっきの話しから考えたら、そりゃまぁ、うん、尋ねたくなるのも当たり前だよねぇ」 と、雪が尋ねるとユイリヤが一人でうんうんと、頷きながら納得したかのように呟く。 「…ここは俺の第二実験室(ラボ)だ」 ぶっきら棒に質問に答えたのは、ソウマだった。ユイリヤが答えてくれると思っていた雪は、意外な人から返答を貰ったことに、少し面食らってしまった。 だが、やはりそこは雪というべきか、それも一瞬のうちに元の無表情に近い顔に戻り、 「そうなんですか…。教えてくれてありがとうございます」 ペコリッと丁寧にお辞儀をする。 今度は、ソウマが面食らった表情をするが、拗ねた子供みたいに顔を反らす。 ソウマの目元がほんのり染まっているが、雪は気のせいだろうと思った。
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