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謝った雪に、ユイリヤがよしよしと、頭を撫でて慰める。それに雪は、顔を赤くして慌てた。それを見たユイリヤも、何故か頬を赤くする。
「…何でお前まで赤くなっているんだ。気持ち悪い」
「ひどっ!!…いや、うん、まぁ、確かに僕まで赤くなる必要ないけどさ…」
そこまで言わなくても…と、ユイリヤはブツブツ呟きながら、ソウマと一緒にチラッと雪を盗み見るが、
「ぅ…?あぅ?」
当の雪は、頬を赤くしたまま、わけがわからないという顔をして固まっていた。
「……」「……」
"何これ可愛い"少年達は同じことを思った。そんな二人の視線と沈黙が、全く状況を掴めていない雪を、不安にさせた。
「あ、あの…よくわかりませんが…あまり…見ないでください…」
「え…?」「は…?」
フイッと、顔を反らしながら言う雪に、二人は我にかえったが、思わず間抜けな声が出た。そして数秒間の沈黙。たかが数秒間が、長く感じ重い空気へと少しずつ変化し始めた。
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