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―――キーンコーンカーンコーン…
本日最後の学校の鐘が鳴る。現在の時刻は、15時35分頃。季節は、夏が終わり、部活を引退した3年生達は、高校受験に集中し始めたばかりだ。
そして、それぞれ帰りのHR(ホームルーム)が終わると、みんな思い思いに帰っていった。
そんな中、1人の少女は下駄箱のある方向とは真逆の方へと、歩いていた。向かった場所は、図書室だった。
「失礼しまーす…」
と、小声で言いながら中へと入る。キョロキョロと、お目当ての物を探すが、無かったのかそのまま静かに、図書室を後にした。
―――この少女の名は、西常 雪(サイジョウ ユキ)。今年――というより今日で15歳になる。
なるのだが…、この後に起きる出来事のせいで、15歳を祝えなくなる事を、雪はまだ知らない。
【??】
ここは、雪の世界とは別の世界。そこで何かが始まろうとしていた。
「…ここを、こうにして…っ、…出来たっ!」
声変わりがちょうど終わったのであろう少年の声が、室内に響きわたる。
「後は、『神獣召喚』に集中して…」
そう言って、少年は先程かいたと思われる謎の陣の上に立ち、
「…気高き獣よ…我の前に姿をあらわし…この身に宿れ…」
と、ちょっと怪しい事を言いながら手を空へとかざした。
そして――――。
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