第一夜

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「そんな凄い勢いで質問されても、答えられるものも答えられないだろ?」 と、諭すように言うと、雪に微笑み、小さくウィンクを飛ばした。 しかしそれは、全く状況が掴めなくなった雪に、届くことはない。 「…………で、まずはさっきの君の質問だけど」 先程のウィンクが、雪に届かなかったと知ったユイリは、気を取り直して話しかけた。 「僕はユイリヤ、ユイリヤ・マータ。よろしくっ☆」 ユイリヤは、そう言うと満面な笑みを見せた。 「で、こっちが…」 「…………………ソウマ」 プイッと、ソウマは横を向きながら、ぶっきらぼうに自分の名前を言うと、ユイリヤに肘で突かれた。 ため息混じりに、雪の顔を見据え、 「………ソウマ・カトリス」 と、名乗った。よく出来ましたとでもいうかのように、ユイリヤは、ソウマの頭を撫で、蹴られた。
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