1人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんな凄い勢いで質問されても、答えられるものも答えられないだろ?」
と、諭すように言うと、雪に微笑み、小さくウィンクを飛ばした。
しかしそれは、全く状況が掴めなくなった雪に、届くことはない。
「…………で、まずはさっきの君の質問だけど」
先程のウィンクが、雪に届かなかったと知ったユイリは、気を取り直して話しかけた。
「僕はユイリヤ、ユイリヤ・マータ。よろしくっ☆」
ユイリヤは、そう言うと満面な笑みを見せた。
「で、こっちが…」
「…………………ソウマ」
プイッと、ソウマは横を向きながら、ぶっきらぼうに自分の名前を言うと、ユイリヤに肘で突かれた。
ため息混じりに、雪の顔を見据え、
「………ソウマ・カトリス」
と、名乗った。よく出来ましたとでもいうかのように、ユイリヤは、ソウマの頭を撫で、蹴られた。
最初のコメントを投稿しよう!