第一夜

5/9
前へ
/12ページ
次へ
「俺達は答えただろ。だから次は、あんたが名乗る番」 偉そうに言われて、カチンッ!と頭にきた雪は、 「……西常 雪」 と、名前を言いながら、もの凄く嫌な顔をした。 「…何だその変な顔は」 「な…っ!」 「まぁまぁ、お互い自己紹介が終わったわけだし、ちゃっちゃっと本題に入ろっ」 「…それもそうだな」 一瞬、険悪な空気が流れたが、ユイリヤの仲裁で、何とか重い空気にならずに済んだ。 「それで、僕達から先に質問してもい~い?」 「はい」 雪が頷くと、 「…で、あんたは俺の言葉わかるし、喋れるんだな?」 「…何か言っている意味が、微妙にわかんないんですけど…。でも、まぁ、普通に今喋ってますし、あなたの言っていることもわかります」 「ま、確かにな」 「次の質問だけど、いつ、どこから入ってきたの?」 「えっと…つい先程気付いたらここにいて…、なので『どこから』という質問の答えですが、私は持っていませんので、答えられません」 「ふむ…なるほど。それじゃ、あんたが着ているそれ、それは服?」 「?はい、制服ですが、普通の服です」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加