哂い声

6/7

844人が本棚に入れています
本棚に追加
/104ページ
ひとまずただのゴミになった元携帯を適当に投げ捨て、寮への道を歩く。 「…あー、あーあーあー…」 右、左、そんでまた右 ゲタを履いているからか、土の上でも歩く度にカラコロと音がする。 意味もない声を発しながら、意味もないことを考える。 途中近くの木の陰で亜夢が襲われていたような気がしたが、無視だ。 どうせ糞なアイツに夢中な誰かが助けるだろ。 まぁ、既にケツにぶっ込まれてるかも知んねぇけど。 とりあえず今はもう、部屋に帰る。 そのために変なことを考えねぇように、意味のないことを考える。 どうやったら楽に死ねるのか、とか どうやったら楽に殺せるのか、とか 何かを忘れようとして、意味のねぇことを考えるのなんて今まで何回もあったからか、考えてみるがすぐに答えが出る。 ――楽になんか死ねなくていい。そんなあっさりと死んでやんねぇ、とか。 ――楽に殺すのなんか銃で頭ぶち抜くのが一番楽だろ、とか。 それは答えとは言えねぇかもしれねぇけど 俺にはそれでいい。 .
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

844人が本棚に入れています
本棚に追加