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今から約2年前
俺も薫も中2の頃だ
その頃の俺は生きることに絶望しきって、家出ばっかしては、家に連れ戻される日々を送っていた
馨に出会ったのも、俺が何度目かの家出をしていた頃で、行く宛なんかあるはずのない俺は、夜の街をぶらぶらしていた
金だけはあったから、暇潰しにゲーセンに入ろうとすると、入口に溜まっていた男達に話しかけられた。
確か6,7人くらいで
話した内容は覚えてねぇけど、どうせ『金かせや』みたいな感じだったと思う
その頃から俺は、家の事情もあってか、喧嘩では負け知らずだったため、喧嘩を売られたらすぐ買っていたが、この日だけは気分が乗らねぇで、買う気がなかった
俺は、…ちっ…ナリヤンが…話しかけてくんじゃねぇよ…とか思いながらも、手を出すのを我慢し、男達の横を素通りしようとした
そう、『しようとした』んだ
…だけど、それは一人の男に阻止された
その男は『お前…気に入った。仲間んなんねぇか?』とか言い出して、俺の腕を掴んできた。
俺が『嫌だ』つったら『なんで?』とか質問してきやがったから『そんな、集団でしか行動出来ねぇ奴の仲間になんかなりたくねぇ。』って言ってやった
今でもそう言うだろうな
するとその男は躊躇なくいきなり、周りの男らを殴りだした
俺はそいつの行動についていけなくて、呆然と見ていると、そいつは全員片付けるなりこっちを向いて『よしっ!!これで俺も一人だ。これで文句ねぇだろ?』と、自信満々に俺に言ってきたから、俺は笑うしかなかった
それから、そいつは俺に付きまとって来た
俺は、うざいうざい言いながらもそいつといる時間が楽しくて、俺からも会いに行くようになっていった。
それから、そいつとはなんだかんだ仲良くなって、俺が名前で呼ぶ唯一のダチになった
中学を卒業して、同じ高校に入り、二人で族を造った。
族の名前は『黒蝶』。馨命名だ。
正直どうでもよかったが、ある日、ふと気になって、なんで『黒蝶』なのかと聞いた
馨は教えてくれなかったけどな
どうせ馨の事だから、どうでも良い適当な理由なんだろうけど
『黒蝶』は、どんどん大きくなっていって、県でNo.1の族になった。
そして、俺達が高校にいるより、溜まり場にいるほうが多くなった頃…
あいつ、亜夢がやって来た
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