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…コツ…コツ…コツ…
「…ははっ…総長も大したことねぇんだな!」
たぶん、シークレットブーツであろう足音をさせながら、俺の元にあいつが来た。
馬鹿にしたような笑い声とともに。
…チッ…
コイツさえいなければ…
あいつが来たことで、俺への暴力が一度止まる
族の奴等はあいつが通れるように道を作り、その道を我が物顔で通るあいつに見とれている。
モジャモジャの黒髪に、何処で売ってんのかわかんねぇような瓶底眼鏡をした奴に、だ。
お前ら頭おかしいだろって感じだよな。
そんな頭おかしい奴らに好かれて喜ぶ、もっと頭のおかしい奴が俺を上から見下ろす。
そして、ぎゃーぎゃーうるせぇ声で、また意味のわかんねぇ文句を、俺に向けて叫びだした
「お前が悪いんだからなっ!!
俺を避けたりするから、こういうことになるんだぞ!!
今謝ったら許してやるぞっ!!俺は優しいからなっ!!」
うるっせぇな…
…何が『優しい』だ…
…仲間に頼んで、人をリンチする様なヤツのどこが優しいんだよっ…
そんなヤツなんかに、誰が謝るかよ。
俺は心の底から嫌悪感が湧きあいつを睨む。
すると、あいつは泣きそうな顔をして、俺の顔を踏みつけた
ガンッ…
人の頭を踏む鈍い音と共に、頭痛のような痛みが体に響く。
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