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SHU SIDE
SHRが終わり、俺の周りにいた野郎どもがいなくなってから俺は亜夢に近づいた。
「はじめまして」
最初は…少しくれぇ仲良くならねぇとな
俺はいつもより薄い笑みを浮かべて亜夢に話しかける
あぁ、やっぱりいつものは無理か…
まぁいいか。
…さぁて…亜夢は副会長のときのように、俺の嘘くせぇ笑顔を指摘すんだろーか?
…あ、ダメだ…
ソレ今されたら俺キレそうだなぁ
俺自分の笑顔、文句言われんのだいっきれぇだからなぁ
俺がそう考えているのを気づいてもいない亜夢は、俺の心配とは裏腹に、俺を見て、きたねぇ鬘のしたで笑った。
そして、唾を飛び出しながら
「お前の名前なんて言うんだ!?」
…そう、教室に響くような大声で叫んだ
あ、やばいな、殺したい
…でも、我慢だ我慢…我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢……はぁ
俺は横目で馨を見て、俺らが話してんのに気がついてないのを確認してから、亜夢に笑いかける
「えっと…さっき言ったんだけど…聞いてなかった?」
俺は当然のように言う。
嘘じゃねぇし、俺さっき言ったばっかだしな
ってか…あー、そうだ…確かコイツ名前にこだわるんだったな
『愁』って呼び捨てにされて、どんだけ虫酸がはしったか…
俺がそう言うと、亜夢との間に沈黙が流れた
そして、すぐに亜夢が俺を睨んできて
「お前俺を責めてんのか!?俺は人の話をちゃんと聞くぞ!!なのに俺が聞いていなかったっていうのか!?お前酷いやつだな!!俺は傷ついたぞ!!謝れよ!!謝ったら許してやるぞ!!」
…………は?
…突然亜夢がそんなことを喚き出しやがった
うぜぇしきめぇし…周りの野郎共も、ありえねぇって顔してこっち見てんぞ…
ってか、俺がいつテメェを責めたってんだよ
いや、正直責めたが…ってか、殺そうとしたが、行動に表してねぇから俺は悪くねぇはずだ
……チッ…テメェのせいで目立っちまってんだけど
周りのやつらは全員こっちを見ている
…ここで下手に文句いって、めんどくせぇことになってもなぁ…
「…ごめん」
俺はお得意の笑顔を貼り付け、謝る
心の中では、殺意をこめて。
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