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俺が抱きしめてから、亜夢は突然『友達自慢』をしてきた。
亜夢に新しいダチが出来る度にしてくるその自慢は
俺からしたら、ただの苦痛でしかなかった。
「コイツいい奴なんだぞ!!俺と友達になったんだ!!」
だってそうだろ?
好きなやつが他の野郎を褒めているのを聞かなきゃならねぇんだからな
「俺と仲良くしたいからすぐ謝ってくれたんだぞ!!いいやつだろ!!」
コレ以上の苦痛…俺は今まで味わったことがねぇぞ
「眼帯の下を今から見せてもらうはずだったのに、朱雀が邪魔したんだぞ!!謝れ!」
亜夢の言葉をほぼスルーしていたときに聞こえてきた俺の名前
……何で俺が謝らなければいけねぇんだ
そう一瞬考えてしまい…
次の瞬間には考え直す
亜夢の言葉は正しい
媚びもなんもしねぇ、純粋で素直な亜夢だからな。
だから俺は亜夢の言う事だけは…聞いてやろう
俺が適当にすまんと男に言ったら、亜夢は褒めてくれた…
…前髪で隠れているが、今は笑顔だな…
そう気づくだけで、心ん中があったかくなる
こんなのは亜夢だけだ
亜夢は俺様のモノだ
誰にも渡さねぇ
そう思いながら、亜夢を抱きしめたまま教室から出ていった。
……もし、この時、今までずっと…男が嗤っていたのに気がついていたら…
…あんなことにはならなかったんだろうか?
この時の俺の馬鹿さかげんにいらつくぜ…
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