裏切り

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…その事実に気付いた俺にまず襲ってきたのは、なんともいえねぇ敗北感だった …別に、何かに負けたわけでもねぇのに… いや、その前に、勝負すらしてねぇのに… どうしようもなく、この場から逃げたくなった。 だけど、そんなのプライドが許すはずもなく… …とっさに開いた俺の口から出たのは、1つの問いだった。 「…何で、俺を裏切った?」 多分、全部誰かに説明して欲しかったんだと思う。 そんな俺の問いに答えたのは、馨だった 馨は他の奴等が答えようとするのを止め、一歩俺に近づき、答える 「…最初に裏切ったのは、お前じゃねぇか」 …こいつ…何言ってんだ? 「…俺は裏切ったりしてねぇっ!!」 柄にもなく、俺は大声を出す それくらい、馨の言うことが信じられなかった 「…亜夢(アム)がそう言ってんだよっ!!」 今度は、馨も大声で怒鳴った 聞きたくもねぇあいつの名前を口にして 馨が怒鳴ったのに乗せられて、回りの奴等『そうだっ!!』と、口を揃えて言い始める …何だよ… 「…あいつの言うことは信じれて…俺の言うことには、耳も貸さねぇってか… …仲間だったんじゃねぇのかよ!?」 わざと過去形にして怒鳴ると、回りの奴等は黙り混んだ そんな奴らの反応に満足して、再び口を開こうとした俺の言葉を遮ったのは馨の言葉だった。 「…お前の事…『仲間』だなんて思ったこと…一度もねぇよっっ…」 ソレを聞いた瞬間、目の前が真っ白になった ,
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