846人が本棚に入れています
本棚に追加
「…えっと、中本くんだっけ?
ちょっと廊下で話そうよ」
もしコイツが詳しく知ってたら
…ここで大声で話されるわけにはいかない
そうならないようにする為に、俺が椅子から立ちながらそう言うと、中本呉羽は少しポカンとした後椅子から立ち上がり、廊下に歩いていってしまった
俺を追い越し廊下に出て、右に進んでいく中本呉羽
…どこ行ってんだ?
俺は不審に思いながらも、もし誰かに話された時の為に中本呉羽に付いていく
…教室からかなり離れた人気の無い教室…
元々運動部の部室だったのか、端の方にボールが転がっている
中本呉羽は黙ってその教室に入り、中央にある三人掛けのソファに座った
…俺はもしもの時の為に、腰に隠し持っている拳銃に手をかける
そして、椅子に座っている中本呉羽の前に立ち…目を合わせる
そんな俺に中本呉羽は目を逸らそうともせずに、睨み返してきたりもせずに、ただ黙って目を合わせたまま黙る
少し埃くせぇ部屋に広がる静寂…
そして…
「……ハァ…」
聞こえてきたため息
俺はため息なんかついてねぇから…
…中本呉羽のだ
,
最初のコメントを投稿しよう!