裏切り

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ゆらっ、 倒れそうになるも、どうにかぼろぼろの身体を支えながら俺は立つ …っとん…っとん… 一歩、また一歩…と、あいつ…亜夢に近づいていく 回りの奴等は俺を止めようとするが、俺はそいつらの鳩尾に拳で一発決め、黙らせていく すると、俺を止めようとする奴はいなくなり、俺の場所から亜夢のいる場所までの道ができた 所詮、人なんて自分が一番なんだ 自分が痛いのは嫌だ。だから、大事な人が傷つくかもしれないのに、守ることを放棄する。 仲間なんて、脆いな さっき自分自身で身を持って知ったことだけどな… 今、俺の目の先にいるのは亜夢、ただ一人 俺の姿を見ても、俺に負けるわけねぇとか思ってんのか、亜夢は楽しそうな顔をして拳を構える。 こうゆう顔見るとさあ…すっげぇ、潰したくなるんだよな。 俺はあいつから五メートルくらい離れたところで足を止め、目の前にいるあいつを心のなかで嘲笑う。 これから潰されるとも知らねぇで、ニコニコ笑ってやがんだからなあ? 嗤うなってほーが無理だろ それでも俺は喉まででかかった嘲笑を止めて、 「…なぁ」 声をかける 「なんだよっ!? 今さら謝ったって、許してやんねぇぞっ!! 愁のことは、俺が相手してやるよっ!嬉しいだろ!?」 「…あぁ、すっげぇ嬉しいよ…」 俺は興奮して、舌舐めずりをする これは、俺の悪い癖 あんまり人の前で喧嘩しねぇ俺は、ほとんどの奴に喧嘩が弱ぇとか思われてる。こいつみたいにな …だけど、俺の事を良く知っている馨なんかは、気付いているはずだ …俺が本気だってことにな 「…っ!! …亜夢!!ここは退けっ!!退くんだっ!!」 ほら、な。 けどなぁ、馨。 …もう、 「…おせぇんだよ…」 なにもかも ,
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