裏切り

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俺は、思いっきり拳に力を入れて、亜夢の腹にめり込ませる。 「…ぐはっ…」 亜夢の苦しそうな声が聞こえるが、知るかっての。 俺は手を引っ込めずに、そのままグリグリと亜夢の腹に痛みを加え、 「…うっ…あっ…」 亜夢の意識がなくなる前に手を戻し、亜夢のことを真っ正面から見据えた ここで終わったら…愉しくねぇとは思わねぇか? …久しぶりの喧嘩なんぜ? さっきの借りもあることだし、十分に愉しませて貰う 亜夢は膝を震わせながらも、立っている 「…へぇ…まだ立ってられるんだな…」 「…あ、当たり前…だろ…なめんじゃ…ね…ぇ…」 言葉ではなんとでも、ってな。 でも、 「良かった」 「…はぁ?」 亜夢は俺の言葉に驚いて、目を見開く 今の言葉にそんなに驚く事もねぇだろ だってさ、 「正直もっとザコかと思っててさぁ あ、そうだ。さっきの俺の拳、よくたってられたな。褒美やるよ。 …見たかったんだろ?この下。」 俺は眼帯を少しめくりながら言う すると亜夢は俺を睨みつけた …というより、小型犬の威嚇みてぇな? 怯えを隠すため、だろうな。 それでも、俺に怯えながらも、NOと言わないから気になるんだろうな。 俺はまぶたを閉じ、頭の後ろで蝶結びしている紐をほどき、眼帯を取る そして、ゆっくりまぶたを開けるのと同時に前に出る。 「…っ!!…ぐはっ!」 さっきと同じところにわざと拳を入れて、亜夢に顔を近づけ、 そして、いまだに状況に着いていけていない亜夢の耳元で、 「今、中途半端潰したらなんか勿体ねぇからさぁ。 …今度あった時に、全力で潰してやんよ。覚えてろよ?」 きっと亜夢にとっては、最悪の言葉を捧げた。 雑魚キャラ臭漂ってる気もするがな。 ,
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