子どもたちの集い

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里奈の言葉が合図だったかのように、何人かの子供たちが次々に広場にやってきた。 「2、4、6、8、9。よし、これで全員だな」 この村の住人はここに集まった9人だけだ。 もちろん、元村人だった像になってしまった人々はのぞいて、だが。 「前からずっと言ってたほかの町の様子を見に行くって話、あれを実行しないか?」 みんなを見回して、そういうのは9人の中で、一番年上の夏元悠(なつもとゆう)。 一年前からこの村のリーダーのような存在となっている。 本人は自分はリーダーに向いてないと思っているのか知らないが、けっしてリーダーとは認めようとしないのだけれど。 「私は別にいいけど……何でいまになって急に?」 天野美優(あまのみゆ)が怪訝そうな顔をして聞いたのも当然だ。 今まで、悠がこの話に一番反対していたのだから。 というか、反対していたのは悠くらいだったのだから。
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