シルバーリング

すれちがい。

日が傾き、BL学園全体を夕日が優しく包み始めた頃啓太はいつも通り西園寺のいる『会計室』に向かっていた。

「えへへ…早く西園寺さんに期末テストの結果報告しよ～っと！」

1週間程前、教科担任らにことごとく「伊藤は今回の期末危ない」と言われ続け、その事が不覚にも西園寺にバレてしまい、西園寺と仲良くテスト勉強！…とは行かず、みっちりヤマを叩き込まれたのだった。
しかも「えっちな事は全て禁止」などとおあずけをくらってしまい、啓太はすっかりヤル気を無くしていたが、「テストで平均点以上取ったら何でもしてやる」と交換条件を出され、これはやるしかないと啓太はこの1週間死にものぐるいで頑張った結果、どれも満点に近い点数だった。

「…西園寺さんに何してもらおうかなぁ～。」

邪な妄想をしながら歩いてるともう会計室の目の前。啓太は顔を引き締め、ドアをノックした。