10年前

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明日は初雪だってね、と彼が言っていたのを思い出した。 どのくらいここに立っているだろう。彼はしきりに時間を気にしている。 暗かった東の空が白み始めた頃、彼女はやってきた。 冬の夜明けは遅い。まだ薄ぼんやりとした朝日が、彼女の髪を金色に照らした。
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