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「ここ、君の家?」
「ううん、ふほーしんにゅう」
あどけないマサアの態度に気を許したのか、あるいは格下と判断されたのか。
にっこりと微笑み、年に合わない言葉をさらりと言った。
それにはマサアも面食らい、タヤクは愉快そうにくっくと喉を鳴らして笑う。
「それで、おにーさんたちは誰?」
最初の質問に答えていない、と文句を言われる。
その子供らしからぬ迫力におどけつつ答えてやった。
「マサア、っていうんだ。マサア・ハインデルク。きみは?」
「・・・・・・ミナミ・ジオハイト。そっちの二人は?」
言いながら視線をタヤクたちへ移す。だが勿論、それには答えない。
子供だからといってそう易々と自分の名を口に出来る現状ではない。
彼らは追われていて、この家に逃げ込んでいる立場なのだから。
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