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――やがて、先程駆けていった少年が戻ってきた。
かなりの速さで走っていったであろうに、その息は少しも乱れていない。
「もうちょい行ったとこにでっかい廃屋があった!」
短く言い、そのまま元来た道を走る。
少年の色鮮やかな金色の髪は、道標のように闇夜に浮かんで見えた。
その後を茶髪の少年が木から飛び降り追い掛け、残った眼鏡の青年は、少女の手を引きながら走った。
少女の意識はとうになかった。
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