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「こいつ、どうするよ?」
階段を昇りきって右手突き当たりにある黒ずんだ扉の部屋。
その部屋の中に、茶髪の少年――タヤクが佇んでいた。
恐らく幼い子供がいたのだろう、キングサイズのダブルベッドとシングルベッドが二台。
他には瀟洒な洋服ダンスがあるだけの、いわゆる寝室でのタヤクの問いかけ。
重苦しい黒のカーテンがひかれ、光が全く届かない部屋の中。
すっかり埃の積もった部屋を無視するように、汚れたベッドの上で安らかな寝息を立てる――少女。
灰色に汚れたシーツには、ツインテールに結わえられた長い桃色の髪が散らばっていた。
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