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この間、少女は相変わらずきょとんとしていた。
泣きもしない。
自分から名乗ろうとしないところや、必要以上の質問を投げ掛けてこないことから、幼いながらも警戒心が備わっていることがわかる。
普通の子供は警戒心よりも好奇心が勝ってしまい、自制何ぞ働かない。
いや、多少は働いているのかもしれないが、それも興味の前では塵となる。
――多少大人びているとか、そんなもんじゃないな
そんなことをぼんやり思いながら、マサアは改めて少女に向き直り、今度はきちんと言葉を伝えた。
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