ラレデンシ

3/7
前へ
/9ページ
次へ
とうとう、 継母に会いに行く日がやってきました。 「シンデレラ、屋敷に行く仕度は出来たかい」 父はシンデレラに聞きました。 バタフライナイフで歯に詰まった海苔を器用に掻き出しながら、シンデレラは美しい声で答えます。 「用意はまだですわ、お父様。用意が終わるまでぶっ倒れてては、くれませんか?」 というと、傍にあった、高さ2メートルほどもある植木鉢を片手で掴むと、 「そぉれ♪」と、 父に投げ飛ばしました。 「おいおい…植木鉢だけは投げるなよっ………と、中々腕を上げたようだな、シンデレラ」 数秒後、飛んできた植木鉢を避けた父の背後では、作り直したばっかりの扉がバキバキに粉砕してしまいました。 その様子を見たシンデレラはフフフ、と口角をあげました。 「まだまだ老いぼれてないようねぇ。お父様」 父もフフフと笑いました。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加