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とうとう、
継母に会いに行く日がやってきました。
「シンデレラ、屋敷に行く仕度は出来たかい」
父はシンデレラに聞きました。
バタフライナイフで歯に詰まった海苔を器用に掻き出しながら、シンデレラは美しい声で答えます。
「用意はまだですわ、お父様。用意が終わるまでぶっ倒れてては、くれませんか?」
というと、傍にあった、高さ2メートルほどもある植木鉢を片手で掴むと、
「そぉれ♪」と、
父に投げ飛ばしました。
「おいおい…植木鉢だけは投げるなよっ………と、中々腕を上げたようだな、シンデレラ」
数秒後、飛んできた植木鉢を避けた父の背後では、作り直したばっかりの扉がバキバキに粉砕してしまいました。
その様子を見たシンデレラはフフフ、と口角をあげました。
「まだまだ老いぼれてないようねぇ。お父様」
父もフフフと笑いました。
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