ラレデンシ

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数分後。 シンデレラは、 鏡の前でクルクルと小躍りしていました。 「ねえ、お父様。どう?」 誰もが笑顔になってしまいそうなキュートな笑顔でシンデレラは問い掛けます。 父は狼狽していました。 「シンデレラ、お前…切りすぎじゃないか?」 「どういうこと?」 シンデレラは 小首を傾げます。 父は悲しそうに目を泳がせます。 それもそのはず、 シンデレラは女から男の様な髪型になってしまったからです。 しかしそんな父の思い等つゆしらず、当のシンデレラは、意外と自分はイケているかも知れないと自惚れていました。 (あら~!私、素敵な王子様みたいになったわ) 父はやれやれと肩を竦めました。 そして、行動力のある イケメンシンデレラは、ドレスを脱ぎ捨てると、父の若かりし頃の服をクローゼットの中から引っ張ってきて、着替え始めました。 「おい、それは私の!」 「お父様ったら、お固いのねー」
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