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怖い
何も覚えてないのに
どうしようもなく恐怖が襲ってくる。
真っ青になって震えるあたしの肩を抱きながら、非難するような口調で伊藤さんが言った。
「おいっ!隆哉!何も見せなくてもいいだろう!」
「…悪かった。思い出すきっかけになるかと思って、な…」
一見無表情な顔を、気まずそうに歪めた坂口さんに謝られる。
「…す、すみません…思い出せないです」
なんとか、そう言うと
「どういう事?道に落ちてたの拾ったんじゃないの?」
意味が分からない、という顔をした大澤さんの言葉に、気まずそうに坂口さんが口を開いた。
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