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マイペースな大澤さんに苦笑しつつ。
結局、伊藤さんに抱かえられたあたしは、車までの廊下やエレベーターは、恥ずかしくて顔をあげられなかった。
幸いほとんど人とは擦れ違わなかったから良かったようなものの……あくまでも『ほとんど』なんだけれど…
白い車の助手席にあたしを座らせた伊藤さんは運転席へ、大澤さんはニコニコしながら後部座席へ乗り込んだ。
「ねぇねぇ
なんで英は、るぅちゃんとお揃にしたの?」
具体的な言葉は抜けているが、トレーナーの事だということは分かる。
「たまたまだよ」
エンジンをかけながら、大澤さんの言葉に返事をする伊藤さんの横顔は、何を考えているのかよく分からない。
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