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「家出人?あなたくらいの人の届けなんて出てないよ。」
無愛想なおじさん…もとい警察官に煩わしそうな顔をされてしまった。
記憶がないって話したら、あからさまに疑わしいと眉間にシワをよせられた。
「あの、もし何か情報があったら…」
「はいはい。ここに名前と電話番号書いといて下さい」
伊藤さんの言葉を遮るように、おざなりに紙とボールペンを突き出す。
伊藤さんが名前と電話番号を書くと、用は終わったとばかりにアクビをすると、帰った帰ったと追い払うように手を払った。
バタンッ
拒絶するように閉まったドアの向こうで先程の紙が適当に置かれ、しばらく後に他の破棄書類と共にシュレッダーにかけられてしまったなんて
いくら酷い対応だったとは言え…さすがに考えもしなかった………
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