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「ごめん、不安だったよね」
何故か謝りながら抱き締める伊藤さんの胸が暖かくて、思わずすがりついてしまいそうになった。
「な~に目の前で、いちゃこいてくれちゃってんの」
ベリッて音がしそうな勢いで、あたしを伊藤さんから引き離した大澤さんに……なぜかスリスリされてる…?
「おんなじような事してんじゃん…」
不満気な伊藤さんに、頭の上で大澤さんがフフッて笑う……なんか黒いような気がするけど突っ込まないでおこう…
「…なんで、そんなに親切にしてくれるんですか?…警察の人にも…相手にされないくらい…あたし怪しいのに……」
「あ~それはね、英には下ごこ…イテッ」
「俺が拾ったんだしね
瑠璃ちゃんだって、たとえば…子猫拾ったら最後まで面倒みるでしょ?」
大澤さんが何か言いかけたのを、拳で遮ると困ったように言った。
「……じゃあ、伊藤さんはあたしの飼い主さん…?」
「えっ!ま、まぁ…仮の、ね?」
「え~なんか、やらし~」
「うるさい!!」
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