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「気を失って倒れたにしろ、倒れてから気を失ったにしろ頭を打ってるだろう。記憶喪失の原因と精密検査だ」 「一見興味なさ気だけど、ちゃんとこういう事考えてくれるんだよね~隆哉は」 「まぁ、昨日の今日だ。警察に手掛かりが有るとは思えなかったからな」 …うっ…みんなそう思ってたんだ… 警察行ったら大丈夫だと安易に考えていたのは、どうやらあたしだけだったみたい。 「…すみません」 他になんて言ったらいいのか分からなくて、小さくなりながら頭を下げた。 「無いものは仕方ない。取り戻す事と、異常なが無いか確かめるのが先決だ」 「はい…」 今度は後部座席に伊藤さんと座って、大澤さんがおとなしく運転している。坂口さんは助手席…… さて…先程の買い物の時の事、あたしと伊藤さんはほとんどベンチに腰かけていて、大澤さんが走り回って買ってきてくれた。 ブラのサイズも忘れていたし、どうしたものかと思ったら、何故かぴったりのサイズの物を買ってきてくれた… これだけは直ぐにトイレで着けたんだけど…なんでなのかは怖くて聞く事が出来なかった……ちぎれたブラを見たのかな?いつの間に? 後はぺたんこの靴、これを履いたら抱っこじゃなくて支えてもらえば歩けるようになった。 ……かなり痛いけど…お姫様抱っこの恥ずかしさから考えれば、たいした事はない。
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