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「あぁ…やっと目覚ましたね」
低い柔らかい声がして、今まで一人だった部屋に人が入って来たことに気付いた。
「あっ……あの…あたしの名前って…なんですか?」
「えっ?今なんて…?」
あたしの問いに目を剥いて聞き返してくる目の前の男の人の顔には、意味が分からないと書いてある…
やっぱりそうなるよね…
「…自分の名前が、分かんないの?」
「はい、すみません」
申し訳なくて、どうしようもなく不安で仕方ない。
どうしていいか分からなくて下を向きながら布団の端を握りしめた。
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