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いつの間に来ていた大澤さんと、受付が終わってどこかへ消えていた坂口さんが、こちらに向けて歩いてくる。
「行くぞ」
「もう?案外待たなかったね」
「わざわざ、ここまで来てやってるんだ。当たり前だろ」
「???」
「ここの院長は隆哉のおじいさんなんだよ」
伊藤さんの説明にうなずきながら、大澤さんが相槌をうつ
「そうそう、そして隆哉は良いとこのぼんぼんってことで~す」
ベシッ!手に持っていた手帳で、かなり強く大澤さんの頭を叩くと
「じゃあ、行くか」
と、全く表情変えずに言う坂口さん……
大澤さんって…ああいう役回りなんだなぁ、しゃがみこんで頭を抱えている大澤さんを気の毒に思った。
思っただけで何にもしてないんだけどね。
坂口さんについて行こうと踏み出して、左足に体重が移動した時。
「つっ!」
不覚にも、痛みのあまり声が漏れてしまった。
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