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片付けを手伝うと言ったら3人に怒られたので、ソファーにすわっておとなしくしていた。
…ここって天井高いなぁ…標準的な規準がいまいち分からないんだけど…
あっ!てことは、自分の事以外も忘れてる?困ったなぁ…
「よ~し!これで終わり!」
ごちゃごちゃ考えているのを、元気な翔くんの声で遮られて振り向くと、いつの間にか隣に来ていた英ちゃんに抱かれた……ちょっと慣れてきたかも……
運ばれた先は……ピンクルーム!!なんで!?
びっくりしているあたしに隆哉さんが説明してくれた。
「ここは前に住んでいた人が、ほとんどそのまま置いていったんだ」
「可愛すぎて僕らは使えないし、捨てんのは忍びないし物置にしてたんだよね~」
なるほど……この部屋で生活する3人は想像出来ないもんね。
「だから、存在忘れてたんだよね」
苦笑しながら首筋に手をやる英ちゃん。
「ふふ、お部屋譲ってくれようとしましたもんね」
あたしの言葉に、忘れてよぉと言いながら後ろを向いてしまった。
英ちゃんの部屋に比べたら小さな部屋だけど、可愛らしいピンクのカーテンもメルヘンチックなベットも、クローゼットや鏡台まで揃ってる部屋は、すごく居心地良さそうでこんなに良くしてもらっていいのか心配になってきた。
「どうせ物置になってたしね、使ってあげた方が部屋も喜ぶよ」
あたしが考えている事を読んだような英ちゃんの言葉。
「お布団は干してるからね~」
「えっ?」
「布団乾燥機で」
翔くんの言葉に驚いて外を見ると、また雪が降りだしていた。
付け足した隆哉さんの言葉で納得したけど、また疑問が沸いてきた。
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