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「フフッ、だからあんなに高いヒール履いてたんだね~」
笑いながら言う翔くんをキッと睨んだ。
「とりあえず、ごはんにしない?俺お腹ぺこぺこだよ」
英ちゃんの言葉に皆でリビングの方に移動した。
しっかり抱っこで運ばれながら、心の中でけんけんすれば歩けるんだけどなぁと思うあたし。
「………何もないぞ」
「あっ、買い物するの忘れちゃったぁ~」
「お前の番か」
「買い出しを交代でやってるからね、今日は翔の番だったみたい」
こめかみを拳骨でグリグリされている翔くんを横目に、普通に英ちゃんが説明してくれた。
この光景に突っ込みはないんだね。
い、痛そう……
結局何も無いからと、翔くんがひとっ走り買い出しに行く事になった………お弁当を。
「あんまり料理はしないんですか?」
「しないの?って言うの~」
「……しないの?」
「たまにしかしないよね?仕事から帰ってきて作るのめんどいし、けっこう3人バラバラに食べてるしね~」
じゃあ頑張らなくちゃ!
密かに気合いを入れていると
「足が治ったら、ね」
と、英ちゃんに釘を刺されてしまった。
この人達はあたしの頭ん中が見えるのかな?
「るぅちゃんが分かりやすいんだよね~」
「お前もな」
「え~そんなことないし!
見よ!僕のポーカーフェイスを!キリッ」
キリッてお口で言ってるからね。
「……」
「ほっとけ」
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