1

47/51

1074人が本棚に入れています
本棚に追加
/728ページ
「まぁ、確かに腫れは引いてきてるね。お湯には浸かってないよね?」 「はい、隆哉さんのお母さんに言われたから……」 今日はまだあんまり温めない方がいいって言われたから、おとなしくシャワーだけで出てきた。 ……だからちょっと寒いんだけどね。 「隆哉、暖房あげて」 「寒いか?」 「お湯に浸からなかったら寒いだろ」 「あっ、すみ……ありがとうございます」 英ちゃんと隆哉さんに謝ろうとして、先ほどのやりとりを思い出した。 「よく出来ました~。でも、ございますはいらないでしょ?さっきは出来たのに」 ニコニコしながら翔くんが頭をなでる。 「は……うん。あの……自分でドライヤーでき……るよ?」 何故かドライヤーをかけてもらっている。 「やってもらえ、職業病だ」 「そうそう。僕、美容師なの」 「あっ、美容師さんなん……だ」 さっきから隆哉さんが説明してくれてる気がするなぁ…… 正直解説があるのはありがたい。 「似合わないかな~?」 「いえ、ぴったりだと思う……よ?」 「瑠璃ちゃん早くタメ口に慣れるといいね」 包帯を巻き終わった英ちゃんが、たどたどしく話す私を見て笑いながら言った。
/728ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1074人が本棚に入れています
本棚に追加