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「まぁ、確かに腫れは引いてきてるね。お湯には浸かってないよね?」
「はい、隆哉さんのお母さんに言われたから……」
今日はまだあんまり温めない方がいいって言われたから、おとなしくシャワーだけで出てきた。
……だからちょっと寒いんだけどね。
「隆哉、暖房あげて」
「寒いか?」
「お湯に浸からなかったら寒いだろ」
「あっ、すみ……ありがとうございます」
英ちゃんと隆哉さんに謝ろうとして、先ほどのやりとりを思い出した。
「よく出来ました~。でも、ございますはいらないでしょ?さっきは出来たのに」
ニコニコしながら翔くんが頭をなでる。
「は……うん。あの……自分でドライヤーでき……るよ?」
何故かドライヤーをかけてもらっている。
「やってもらえ、職業病だ」
「そうそう。僕、美容師なの」
「あっ、美容師さんなん……だ」
さっきから隆哉さんが説明してくれてる気がするなぁ……
正直解説があるのはありがたい。
「似合わないかな~?」
「いえ、ぴったりだと思う……よ?」
「瑠璃ちゃん早くタメ口に慣れるといいね」
包帯を巻き終わった英ちゃんが、たどたどしく話す私を見て笑いながら言った。
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