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「いない、今の所必要性を感じないからな」
「僕もいないよ~。特定のひとは」
隆哉さんの答えは……ん~と、とにかくいないんだ。
翔くん……不特定多数はいるんですね……
「俺もいません。特定の人も、そうじゃない人も」
何故か英ちゃんの言葉に、ほっと安堵した……
「あっ、ありがとうございます。……あの……不特定多数の方達って……」
「ここには来ないから大丈夫だよ~。流石にそこまで相手出来ないしね」
……安心していいのか……なんなのか……
なにやら複雑な思いが顔に出てたんだと思う。
「るぅちゃんが嫌なら全員別れよっか~?」
「えぇっ!?め、めっそうもない!皆さんの彼女さんが嫌なら、直ぐにでも出て行きますから!」
「ふ~ん、どこに?」
「え、えっとぉ……」
翔くんの質問に答えられなくてうつ向くと、おっきな手が頭の上に置かれた。
「翔いじめすぎ。瑠璃ちゃん気にしなくていいよ?女たらしの言葉なんか」
「……はい……あの、ちゃんいらないです」
「ん?」
「呼び捨てにしてください!」
何故か顔を赤くした英ちゃんが、先ほどあたしの頭の上にあった手で、口許を押さえている。
「……る、瑠璃……?」
「はい!」
「……呼び捨てにするくらいで……どんだけうぶなんだよ~」
「……仕方ない、そういう奴だ」
向こうでひそひそ話してるのも気にならないくらい、英ちゃんに名前を呼ばれるのが嬉しかった。
……ちゃん付けなら、何回も呼ばれているのにね?
不思議。
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