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起き上がってベットから降りようとすると、すでに部屋から出ていた翔くんが、開けっぱなしのドアから顔だけ覗かせて聞いてきた。
「るぅちゃん、足痛くない?洗面所まで歩ける~?」
「うん、大丈夫。ありがとう」
「な~んだ残念。痛かったらお姫さま抱っこで、優しく運んであげたのに~」
そう言いながらも安心したようにニコッと笑って、ヒラヒラと手を振って今度こそ廊下の向こうに消えた。
ここの人達は、なんでこんなに優しいんだろう……?
記憶の無い、明らかにお荷物なあたしに、こんなに良くしてくれるなんて……
せめて少しでもお役にたてるように頑張らなきゃ!
それに……記憶も取り戻さないと……
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