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「英もだ。行儀が悪いぞ」
「……はい」
英ちゃんも、眉間にしわを寄せた隆哉さんに怒られてしまった。
可愛かったのに……
「隆哉はね~朝は機嫌悪いんだよ。低血圧ってやつ~?
それより……るぅちゃんスープ美味しくなかった?」
翔くんは説明してくれながら、心配そうにスープカップを覗きこんだ。
「えっと、そうじゃなくて……
スープはすごく美味しいです!
でも、あたしこんなに美味しく作れないから……」
「あぁ、大丈夫だよ。翔がちゃんと料理するなんて月に一回有るか無いかだしね」
久し振りに翔の手料理食べた、と笑いながら英ちゃんが言ってくれたけれど、ハードルが高いことは間違いないよね。
翔くんは料理が上手くて
隆哉さんは朝に弱くて
英ちゃんは……可愛い
あれ?なんかおかしいかな?
まぁ、いっかぁ……
隆哉さんは濃いブラックコーヒーを飲むと、少しすっきりした顔でカバンを持つと忙しげに出かけて行った。
英ちゃんも寝癖を直してニコニコと手を振ると、やっぱり急いで出て行った。
翔くんは……ニコニコしながら、まったりと食後に用意してくれたミルクティーを一緒に飲んでいる。
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