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どうしようか迷いながら、そっと小麦粉のウサギをつまみ上げた。
でも、優しくつまんだつもりだったのに、台にくっついていたようで持ち上げたら潰れてしまった。
「…あぁっ!」
「んっ?あーっ!…瑠璃…ひどい」
壊れたウサギをどうしようか迷っていると、あたかもあたしが故意に壊したかのように、英ちゃんに言われてしまった。
でも、持ち上げて壊してしまったのはあたしだし…
「…ごめんなさい」
素直に下げた頭に、優しい手が乗せられた。
「ごめんね、責めるみたいに言って。持ったら壊れたんでしょ?」
「…でも、壊しちゃった…可愛かったのに…」
手のひらにある潰れた小麦粉の塊を見る。
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