2

24/27
前へ
/728ページ
次へ
英ちゃんの少し色の薄い瞳に、やっと映れたあたしは、まるで泣いている見たい… 「えっ…瑠璃?どう…したの…?」 慌てたように肩に触れた手の暖かさに、堪えていたものがこぼれ落ちた。 まるで…じゃなくて、泣いちゃった… 「だって……うっく…英ちゃんに、捨てられたら……ふぇ…っ…」 英ちゃんは、泣き出したあたしを、壊れ物みたいにそっと抱き締めながら、ごめんねって繰り返し耳元でつぶやいた。 「あ~ぁ、るぅちゃんの目真っ赤だよ、うさちゃんみたい」 慌てて目元を隠したあたしに、それはそれで可愛いけどね、なんて言いながら翔くんは、英ちゃんの頭をポカッと叩いた。 少し落ち着いて、さっきまでの自分の行動に、穴があったら……穴を掘ってでも、消えてしまいたいくらい恥ずかしくなった。
/728ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1074人が本棚に入れています
本棚に追加