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「ねぇ…こんなとこを翔くんの彼女さん 達 に見られたら、よろしくないんじゃない?」
「『達』の所強調したね。まぁねぇ、大変な事になるかもね~」
「えぇ~」
「…そんなに嫌そうな顔しなくても……
だから、ちゃんと変装してるでしょ?」
う~ん…一応、変装なのかな?
黒縁の眼鏡をかけ、緩いパーマの当たる髪はお洒落なハンチングに隠されている。
「それって伊達眼鏡?」
「ううん、度入りだよ~。僕、目悪いんだよね、いつもはコンタクト」
「そうなんだ」
「…聞いといて興味なさそうな…
まぁいっか、るぅちゃんは目良いの?」
「…分かんない」
「そっか
あっ、そろそろ目的地だょん」
普通に接してくれるのは嬉しいのに、普通は分かる事が分からなくて、変な空気にしてしまう……
気にしてないよって顔をしたいのに、上手くいかないあたしの頭に、ポンっと手を置いて。
話しを変えてくれる翔くんに申し訳なくて、したを向いて握りしめた自分の手を睨んだ。
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