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「目の前には誰がいる?」
「叶多がいる」
「うん。俺がいる」
「……」
「そのまま大きく息吸って」
「……」
「吐いて」
「……」
少しだけ取り乱しが落ち着いたのを確認する。
「俺は病院に電話するから由依子は取り合えず着替えて?いいね?」
内心自分も緊張だったり、不安だったり、喜びだったりと様々な感情が渦巻いていた。だけど、それ以上に由依子さんの方が怖いに決まっている。
大声で叫びたい衝動は心の奥底に抑えて車のハンドルを強く握った。
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