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何時も彼女は自分に綺麗な世界を見せてくれる。きっと出逢わなければ永遠と色のないモノクロームの世界を生きていたのではないかと思う。
感謝している。
とても貴女に感謝しています。
これからは与えられた以上の色を深い愛情に包んで届けるよ。
病室の窓から空を見上げる。真夏の何処までも続く青空はいつかニューヨークで見上げたあの悠久に続く果てしない空だった。
「ゆう…」
「え?」
「……あ、空が」
「……悠久の“悠”ね?」
「……」
「“北川悠”いい名前だわ」
この想いが、ずっとずっと永遠に悠久に続くようにと願いを込めて。
そっと彼女の頬に唇を落とす。
「由依子、悠、お父さんにしてくれてありがとう」
……ありがとう。
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