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無造作の茶髪。釣り上がった眉の下に大きく澄んだ瞳。スッと通った高い鼻とそれとバランスがとれている形の良い唇。端正過ぎるその顔は窓際真ん中の奥に座る私に向けられると、極上の笑みがこぼれ落ちフロア中を甘い雰囲気にした。 人はこんなにも変わるものだろうかと思う。 いや、違う。 私の心がそうさせているのは間違いない。 「北川、ココが営業部フロアだ」 …北川叶多。23歳。海外での大学生中にインターン制度でフェアリーに勤め、そのままニューヨーク支社での勤務になったのだが、三井さんの本社異動の為に叶多もこちらに移籍する事となったらしい。 そんな誰もが羨むルックスや経歴を持ち合わせた男。北川叶多こそが……、 何を隠そう私の…、 この“鬼”だの “阿修羅”だの “大魔王” などと言われている私の恋人なのだ。
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